神の子供

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神の子供
著者:西岡兄妹

太田出版


五味伸之です。
福岡で無倣舎という舞台ユニットの活動をしています。
残酷動物キグルミ劇「このちのいのちのこ」という、
キグルミを着て残酷表現を行う演劇を行う時にこの本を読みました。

舞台で起きていることは現実でありつつ、嘘っぱちという二つの世界がつねに重なっています。
最近どうも世間が、社会がぶっそうで、空にはミサイルが飛んでいます。こんな時に、生まれてくる子供たちの希望はなんだろうかなぁ。
ということを考えている時に、この本を見つけて購入しました。

神の子供は出産のシーンがあります。殺害のシーンがあります。陵辱のシーンがあります。それらが西岡兄妹の端正で冷たく細い線で描かれています。
言葉は人間の発している声ではなく、世界を記述するように、画面の中で起きている出来事と距離を取りながら配置されています。
聖なる雰囲気があり、白と黒の画面でありながら、血の赤、精液の白、輝く光を感じるようになっています。言葉と絵の絶妙なバランスによって成功しているといえます。西岡兄妹の大人の残酷絵本の手法が活きています。

登場する人物や世界は異国の様子を持っているのですが、
ジャングルジムや和式トイレなど、日本を感じるオブジェクトが配置されており、遠い出来事なのに、近くの現実というような悪夢が全体を覆っています。

西岡兄妹の本は、ずいぶん初期の「心の悲しみ」という本を読んでいたのですが、その時はエドワードゴーリーのような、ユニークな悪夢という印象でした。具体的な物語というよりも手法や詩的イメージが先行していました。
今回の神の子供では、物語がしっかりとあり、現実との向き合わせ方というようなものを感じました。

画面構成の余白の塩梅も心地よく、眺めているだけでも楽しめる本になっています。

太田出版
本の状態:良好

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